新しい医療

2009年3月14日 (土)

HÄMTA HEM

日本から花粉症の便りが届く中・・、私はかちかちに凍った厚い氷道の上で滑って、パソコンを思いっきり落とし、自分の手〜手首を思いっきり打ってしばらくうずくまり、北国にいることを実感そろそろ鳥が巣作りをしたり、木の芽が出てきたり、朝鳥の声で目が覚めたり、と春の気配はあるのだけれど、まだまだ広がる景色は一面の白い雪。

スウェーデンでは、やはり白樺花粉症(カバノキ花粉症)がいちばん多い。こちらの白樺類の中でもいちばん多いのは、ヨーロッパシラカンバ(Betula pendula/英名バーチ)。なので、まだしばらく症状が出てくるひともいないだろう。私はまだ花粉症は発症していないけれど、念のために今年も対策ハーブを飲み始めている。

この週末は「ヘルスデイ」と名付けられ、私の日本語クラスの生徒、シャワオンのお母さんリーサが主導のプロジェクトHÄMTA HEMのイベントが、この島の学校で行われる。外部からひとが来るので、いつもよりちょっと華やいで、カフェテリアのメニューも少し豪勢になる(笑)今日は、学校のあちこちで、いろんな講演やクンダリーニ・ヨガやカウンセリングやマッサージやフリーダンスが行われる。私もthought field therapy のレクチャーと顔のマッサージを受けてみようかと思っている。TFTとは、鍼のツボをタッピングすることで心理的問題の症状を改善するもの。ただタッピングするだけで、いつでもどこでもだれでもできる、副作用のないセラピーだそうだ。このプロジェクトは、地元の新聞にも、小さく記事が載ったようだ。

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2008年12月10日 (水)

EN VECKA med LAILA SPIK!!!!!!!

先週の金曜夜から、東京からKさんが島に遊びに来てくれている。彼女はスウェーデンの北、ヨックモックに3日間滞在するため昨日夜行列車で旅立っていったが、相変わらず、すばらしくアクティブでしかもおもしろい。12月のラップランドで今頃どうしているのだろう・・無事に戻って来てね!

そう、月曜日からサーミライラ・スピークがゲスト講師で来ている。今日までの3日間、ほんとうにいろいろなことを教えていただいた。彼女は両親からサーミの伝統文化の継承者として小さい頃から教育されているので、膨大な知識と経験を持った貴重な人材だ。私たちは、主にサーミの伝統療法について講義を受けるのだが、彼女の膨大な知識のほんの一部にすぎない。1週間ずっと、彼女の講義が続くという、なんとも贅沢な時間。ずっと話を聞いてみたかった彼女が目の前にいるなんて、夢みたい。

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■月曜日の講義
サーミの伝統療法/植物ー高山地帯と低山地帯の植物と利用法について。
Fjällsippa(Mountain avens)Fjällsyra(Mountain sorrel)など。

低山地帯は、fjällkvanne(アンジェリカ)とstensöta(Polypody)の紹介。

ライラの両親は、サーミの文化を伝えるために子供(ライラ)にできるだけサーミの伝統的な食事を与えたそうだ。stensöta(Polypody)の根は、リコリスの根のように甘い。この根を細かくして甘味料にしたそうだ。例えばアンジェリカの茎をブルーベリーの花とstensöta(Polypody)で甘くしたものをおやつとして食べていたそうだ。

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あと2日間、ライラの話を聞けるのが凄く楽しみ


サーミのMari Boineが歌う、モダンなヨイク。

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2008年11月10日 (月)

バッチセンター/イギリスの旅

秋休み(日本にもほしい・・)の間に行って来た、イギリスの旅。これまた濃い旅、しばしおつきあいのほど・・

今回の旅の目的は、オックスフォード近くのバッチセンターを訪ねること。「バッチ」とは医者であったエドワード・バッチ博士というひとの名前で、彼がホメオパシーの原理を元に開発したバッチフラワーレメディは、日本でも徐々に浸透してきている。これは、植物のエネルギーを転写した水を飲むことによって、心のバランスを取り戻すという植物療法の一種。「植物のエネルギー??」私も最初はかなり疑問だったこの療法、職場にあったので勉強せざるを得なかったという最初の動機は徐々に、積極的な興味へと代わり、プライベートでも使うようになり、今回の旅につながった。

私は、幸運にもこのバッチ療法の最終コースを受けることができ、修了してプラクティショナーとしてイギリスのバッチセンターに登録されるので、一度は訪ねてみたかった場所。でも、こんなにすぐに実現するとは・・。同じく、バッチのコースを受けたよしこさんとのふたり旅。

オーストリアのklagenfurtからまたまたおもちゃみたいな飛行機に揺られ、今度は一路ロンドンへ。さよなら、オーストリア!ありがとう〜〜〜そして2時間のフライトの後、頼りない車体の車輪がロンドンの地に着陸すると、乗客から拍手がわき起こった

空港のあるロンドン郊外から紆余曲折ありながら、よしこさんの友人、えもさんとジョージさんのお宅へ。ロンドンに着いた途端に、スウェーデンの田舎風景に慣れていた私には「ここは新宿!?」という逆カルチャーショックが・・東京と同じ匂いがする。。えもさんとは、一瞬だけ長野のお仕事でご一緒したことがあり、まさかロンドンで再会とは・・ご縁を感じる。。。ロンドンでは宿はとても高いので、おふたりのご厚意に感謝。それにしても、もの凄いビル街に住んでいるのね、都庁近辺みたい・・ヨーロッパといえば、北ヨーロッパのしかもスウェーデンとデンマーク、南下してオランダ辺りしか行ったことのない私は、ハアー都会!、まるで東京に逆戻りしたかのよう・・と環境についていくのに必死・・

翌日、ロンドン/Canary Wharf近辺。

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そして、いよいよバッチセンターへ。
Paddington駅までえもさんとご友人に送っていただき、そこからDidcot parkway駅まで快速で行き、そこでWallingford行きのバスに乗り換えてセンター最寄りのBrightwell-cum-Sotwellへ。センターに着くと、到着が遅れてしまったにも関わらず、連絡を取っていたジューンさんが「やっと来れたのね。アッハッハー!」と笑顔で出迎えてくれ、紅茶とビスケットをいただく。そのおおらかさに感謝。ラッキーなことに、普段は6人以上のグループ対象に行う半日セミナー用のDVDを見せていただき、センターが閉まる15:30までゆっくりと過ごす。センターの庭には、秋色をした植物たちが静かに佇んでいた。

バッチセンターの小さな、そしてとても良い香りのするオフィスにはこの日、ジューンさんとキャシーさんが出勤していた。

セミナールーム。

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セミナー受講者等がランチを食べるキッチン&ダイニング。

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この日は、曇天。
この数日間大寒波が来ていて、ロンドンに着いた瞬間に「スウェーデンより寒い!」と思ったくらいだったけど(後日それは思い過ごし・・と気づかされたけど)、気温だけではなくて、始終晴れていたリエンツに比べ、曇り空のイギリスは(偏見だけど)なんとなく抱いていたイメージ通りでしっくりきた。

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さて、今夜の宿は・・。
スウェーデンからメールしていたB&Bのファミリーと連絡がつかず(休暇で旅行中だった)、困っていたのだが、センターのジューンさんとキャシーさんが他の宿に電話をしてくれて、センター最寄りの街、Wallingford中心にほど近いB&Bに宿を取ることができ、ほっと一息。おふたりに感謝。

宿に着いてみると、ものすごーく奇麗なイングリッシュガーデンと雑誌から取り出したかのような、アンティークインテリア満載の部屋に大感動・・。窓からは林檎の木とゼラニウム、バラの枝が見えて、小さい頃に読んだイギリスの児童書の描写を思い出した。スウェーデンの質素なインテリアとは180度違う、古いけどゴージャスな部屋。朝食は庭を眺めながら、これもまたアンティークなサンルームにて・・ただ、アンティークすぎて?部屋のドアが閉まらないのにはびっくりしたけど(笑)はあ・・ガーデニングとインテリア好きな母がここにいたら、とても喜ぶことだろう・・


翌日またバッチセンターに私たちが到着すると、庭ではエマさんという庭師の女性が雑草抜きをしていた。通り過ぎる際「おはよう」と挨拶を交わす。

この日は、予約していたコンサルティングを代わりばんこに受けた。バッチセンター勤務のベテランであり、プラクティショナーであるキャシーから受けたセッションは、良い経験になった。英語で自分の感情を表現することはむずかしかったけれど、言語や文化の違いによる、言葉や表情の印象やボディランゲージの表現の相違などを自分の肌で感じることができた。プラクティショナー登録するという話をすると、キャシーさんは「バッチ博士が書いたレメディの指標にいつも立ち返るといいわよ。感情を複雑に表現するよりも、彼の表現はシンプルで真実に近いから。これがあなたへの私からのアドバイスよ。」と。彼女に作ってもらったトリートメントボトルはいまも飲んでいる。

コンサルティングは、バッチ博士が実際に患者を診ていた部屋で行った。とても落ち着く椅子がある、小さな部屋。

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ふたりのコンサルティングが終わると、ジューンさんが珈琲とビスケットを持って来てくれた。彼女もキャシーさんもよく笑う、ほがらかな女性。おふたりともお孫さんがいる年代だが、ジューンさんは目の覚めるようなピンクのロンTにベージュのニットを合わせて着こなしていた。色がすごくステキですね、と言うと「こんな着古しをほめてもらって嬉しいわ」と笑っていた。ジューンさんが仕事に戻ったあと、よしこさんとゆっくりと珈琲を読みながら、コンサルティングの感想などを話し合った。そういえば、キャシーさんは「バッチセンターで働けることを誇りに思っているのよ」と言っていた。そんなことを言えるなんて、なんだかいいな。

余談:バッチセンターには小さな販売カウンターがあって、レメディ、クリーム、スプレー、レメディセットなどを売っているのだが、そこで売られているレメディ38種類+レスキューレメディ2本のセットの価格にふたりとも仰天。日本では9万円強で売られているそのセットが、£135(今のレートで2万円くらい)なのだ・・。レメディ1本で買うと、約800円だった。知っていたつもりだが、実際目の前にしたらやっぱり驚いてしまった。mmm.....よしこさんは日本のバッチ仲間用に2箱購入。私もクラスメイトに頼まれていた分と自分用に購入。

よしこさんにいただいた画像。「センター裏庭」

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宿に帰ろうとセンターから歩き出すと、ピーターさんが「街に行く用事があるので一緒に車に乗っていきますか?」と言ってくれた。ピーターさんは、春、レメディの母液を作る際の責任者。バッチセンターとネルソン社両方に勤務している。しかし、こうして本や話の中でしか聞いていなかったバッチセンターのひとたちが生で動いていて(笑)、ピーターのようにずーっとバッチの世界に関わっているひとに、こうやって車で「ちょっとそこまで」送ってもらうのは、なんだか変な感じがした。なんとなくミーハーな気持ち(?)

Wallingfordの郵便局で、よしこさんが日本のバッチ仲間にボックスを送り、その後街の「スパニッシュ・カフェ」でfika・・夜はなぜか宿のキャロラインさんおすすめ(「ここのカレー、ほんとに美味しいのよ!」)のインド/バングラカレーレストランで食事。このレストランのボーイたちがとびきり可笑しかった。3人のくりっくりの瞳を持つバングラボーイたちが、ひまなのか、5分くらいの間隔で入れ替わり立ち替わり席に来て「食事はどうだ」「イギリスにはなぜきた」「どこに泊まっている?」「バッチってなんだ?」など・・質問責め。おかげで笑いに包まれた夕食になった。彼らは、オックスフォード大学の学生で、お小遣い稼ぎにレストランでバイトをしているそうだ・・


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イギリス最終日。バッチセンターで胸がいっぱい、大満足してロンドンに戻り、えまさんおすすめのピカデリーサーカス付近日本食材店などを物色。しかし、店内に入るとそこは・・日本人、日本人、日本人・・そして醤油、味噌から「きのこの山」、コンビニおにぎり!までなんでもある棚に、一瞬にしてなんだか悲しくなる・・スウェーデンとのあまりの違いに(当たり前だけど)。目がくらくら、ふたりで「ハア」とため息をついて、店の外へ。でも、夜は日本食に飢え過ぎたお腹を満たしに、太郎寿司へ。イギリスの食事ってまずいんじゃないか、ってずっと偏見があったけど、今回気づいた。「スウェーデンより美味しいんでは・・」ロンドンの街は、ちょうどハロウィーンということもあってか、夜の23時くらいでもとても賑やかで車道をローラースケートで走る団体や、獣やドラキュラに仮装したひとたちも混じり、大混雑。

なんとも充実した旅だった。ひとり旅が多い私だけれど、今回よしこさんという旅仲間がいてくれたおかげで、一緒に笑い転げたり、悲喜交々共に体験できたことに感謝あ〜楽しかった。

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2008年8月29日 (金)

スウェーデン人は野生児!?

学校の授業は9時から始まる。今日は学校の周りにあるハーブをヤンネ(先生)が説明しながら敷地の周囲を歩く。Tranpört,Hästkastanj,Gulmåra,Groblad,Johannesört,Rölleka,Nypon,Kåda..
ひとつひとつヤンネが効能やハーブの背景を簡単に話してくれる。知らなかった効能やただ芝生に生えている草という認識しかなかった植物の正体もわかって、とてもすっきり。この島の環境は最高にいいので、ハーブもきれいな野生に近い状態だ。

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その後教室に帰って、このコースのこと、そしてこのfolkhögskolaがどのように始まったのかについてヤンネが話してくれた。面白いのは70年代までfolkが何をしているのかスウェーデン政府のチェックが全くはいらない状態だったので、まず教室に行くと先生と生徒で「今日は何をしたいか」を話し合うところから始まった、そうだ。それだけ自由な空気がある場所なのだ。

この学校にすでに25年間勤め、このコースをはじめたヤンネは元々エコロジーに興味があって、エコのコースの一部として、ハーブガーデンを造ったそうだ。なので、ヤンネ自身もハーブの勉強をはじめたのは、Naturens medicin のコースをはじめた20年前。

ランチをはさんで、学校の図書館で働くホーカンの話をクラス全員で聞く。ちなみに、今日のランチは、じゃがいもの粉を使ったパンケーキにリンゴンベリーのジャム、レンズ豆のサラダ、きゅうり、トマト等。食事については、また今度レポートします。

ホーカンが図書館にあるハーブやガーデニング、薬学、解剖学、心理学の本を案内してくれる。学校の本は、コミューン(70年代のあれではありません)といって、日本でいえば県にあたる自治体が購入しているので、税金を払っていない私は少し肩身がせまい。映画や音楽はないが、読みたい本がここの図書館になければ、スウェーデンのほかの地域の図書館から取り寄せることができるので、便利。もちろん日本語の本はないけれど、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語、フィンランド語、アイスランド語などなど北欧の言語はほとんどあるという。図書館大好き、スウェーデン語大好きな私にはたまらない環境だ。今日は、何年か前に彼が初めて書いた大人向けの本がベストセラーになったMikael Niemiの新作「Svålhålet」を借りた。今回の彼の作品は、サイエンスフィクションらしい。

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ホーカンの話の後、13時からはそれぞれ自分の分担に分かれて、森に行ったり、ハーブガーデンに行ったり。。。。クラスメイトは散り散りになる。私の分担は、コーダ(松やに)を集めること。集めたものを来週の軟膏剤作りに使うのだ。アントニアとペトラと一緒にナイフとボールを持って森に向かう。途中でオニグルミを取っていたダニエルとキルスティに会い、彼らが苦戦していたのを見て、ペトラが代わりにはしごにのぼり、何個か実を落とす手伝いをした。(この画像は来週アップします)ここの木は、みんな東京でみることがないくらい太く、立派でこのオニグルミの木も私の身長の3倍くらいはありそう、という高い木だ。こんな木に軽々とはしごをかけて登ってしまうなんて、スウェーデン人ってなんて野生児なんだ。。と改めて思う。

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森の中はブルーベリーの茂みやスギナや苔や小枝が、足を運ぶたびにかさかさ、ぱきぱきといい音をたて、聞いたこともないような鳥の声がし、清々しい緑と水のにおいがして、一瞬で体が緩む。松やには思ったよりも見つけるが大変だったけれど、ひととおり取ったあとは、学校に戻りカフェテリアでフィーカ今日はコーヒーとクッキー。その後は、洗濯を予約していたので、学生用の洗濯室へ。洗濯機をセットし、ヤンネとヤンネのアシスタントのシェンパとの個人面談へ。

夕飯は、ものすごく早い。なんと16時半!!今日は大豆ミートのハヤシライス風とライス、サラダ。
さて、今日も学校終了!


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2008年5月20日 (火)

Hasta La Victoria Siempre!

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5/17、チェゲバラの娘であるアレイダ・ゲバラが明大でキューバの医療について、父ゲバラについて語った。会場はひとひとひとひと・・・・予約をしていないひとは途中から別階で映像で講演を聞くことになった。

彼女は、さすがゲバラの娘!?というだけあり、迫力がある反面、他人に対する愛に溢れたひとで、
拳を振り上げながら語られる彼女の言葉(スペイン語)が、会場にビリビリと響いていた。

小児科医として、アンゴラや他の開発途上国での医療体験について語るとき、
その国でのこどもの死に対する非情さに涙を流していた。

「世界にはもう武器は必要ありません。必要なのは『連帯』です。」

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おおきくて、しんけんで、ユーモアがあって、包み込むようなやさしさに溢れた素敵な女性だった

彼女の書籍も読んでみたい。

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HASTA SIEMPRE!

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2008年4月15日 (火)

医療立国:崩壊から再生へ

昨日参加した「日本の医療を守る市民の会」の勉強会の内容を少し・・
アメリカの大学で見た医療の現場と日本の医療現場の実態の差を中心に、
日本の医療制度への批判と提案を話されたのは、帝京大学医学部名誉教授の大村昭人氏。

とても盛りだくさんな内容で、それもそのはず、本一冊(『医療立国』
書けてしまうくらいのテーマなのである。

全部は伝えきれないが、私が気になったものをいくつか・・

まず大村氏の一言めが、こうだった。
「日本の医療は崩壊の危機にあるのではなくて、すでに崩壊しているんです」
まず、ガツン!

東大の医学生だった頃、学生闘争の真っ只中で東大付属病院で研修することがほとんど
不可能、臨床研修はほとんど一般病院で行った大村氏。
その後渡米し、アメリカの医療を学び、準教授としてユタ州立大学で教える側も経験した。

日本に帰国してからは、日本の医療はおかしい!と思っていた。
アメリカとの比較だけでもいろいろ見えてくるものがある。
現在のアメリカは映画『Sicko』で描かれているように、民間医療保険(HMO)の自由化で
HMOが健康な患者のみ集めたため、4700万人が医療保険未加入者がいるという悲惨な状態であるが
医療施設でのマンパワーの比較ではアメリカが優勢だ。
例えば・・
病床100床当たりの看護師数(24時間常時)は
日本:42.8人
アメリカ:230人
患者死亡率としては、看護師1人に対して患者4人を100%として、看護師1人の受け持ち患者が1人増えると死亡率が7%増えるという。日本の看護師の数は、アメリカと比較すると約6分の1、医師の数は欧米の3分の2であり10万人以上の不足だという。

そのため医師や看護師がいくら頑張っても、患者数に追いつかず疲労困憊状態・・
常勤の医師は、週平均70時間の勤務時間だそうだ。(私なら絶対に嫌だ)
しかも、生死に関わる判断をその都度、この長時間勤務の中で行わなければならない。
これなら、疲れた医師が判断を誤る可能性も理解できる。
ちなみにヨーロッパの医師の平均勤務時間は40時間前後〜46時間内だそう。

そんな日本の医師の中でも特に、産婦人科、小児科、救急、外科は志望者も減り、悲惨な状況。

そういえば以前、偶然知り合った小児科の女医さんが「ご両親は心配し過ぎて、時間外に症状の軽い子供を連れてくる」といっていた。症状が軽い場合、大抵は家庭で処置できるものだが、両親が我が子が苦しんでいる姿を見てどうしていいかわからず連れてきてしまうという。
患者側のセルフケアに対する知識も必要だ。

それと、もうひとつ気になったのは医療市場への投資が経済波及効果を生み出すという点だ。
EU諸国では、医療への投資が経済成長率の16〜27%を占めるという。
特に北欧諸国は医療・福祉・教育へ大きな投資を行い、国の活性化に生かしている、という。
スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ノルウェーは租税、社会保険料の国民負担率が非常に高いにもかかわらず、経済競争力では世界トップ6の上位にいる。福祉制度が充実していることによって、女性、高齢者そして障害者でも働く機会に恵まれていて自立する中で社会に貢献もできている。

と、いろいろ日本の医療制度の悪い点を挙げてきたが、実は日本の良いところも見逃せない。
それでは、日本の医療制度の良い点はというと・・

1.国民皆保険制度であり、医療費も安く現物支給
●一回あたりの医療費
日本:¥7,000
アメリカ:¥62,000
スウェーデン:¥89,000

2.フリーアクセスが保障されている。
3.乳児死亡率は世界最低でかつ最長寿国。
4.安い医療費にも関わらずWHOの医療制度評価は世界第10位、国民の健康度は1位。

それでは、この素晴らしい医療制度を持続させていくにはどうすればいいのかというと・・
・発想の転換→医療費は国の負債ではなく、投資である。(北欧の例)
・医療政策に関わる3つの省庁(厚労省、文科省、総務省)の一本化
・財政構造の根本的な見直し(公共料金に使用される資金などを医療費に)
などなど・・(書ききれません)

なんとなく、健康な自分には関係のない話〜と思っていたが、
自分が払っている税金にも関わるし、家族や周りの人々、もちろん自分も
いつ病気になるかわからない・・。
めちゃくちゃ関係ある話・・なのに、なんとなくマスコミの話ばかりを聞いてしまっていたようだ。
※マスコミといえば、ちなみに、「たらい回し」という表現がよく使われるが「たらい回し」ではなく、「ほかの入院患者や救急患者に対応しているから受け入れることができないだけ」だそう。医師数が絶対的に足りないことのほうが、問題らしい。

今回、医療の現状、問題点を垣間見ることができたことに加え、
「医療再生には何をすべきか?」という具体的な提案が聞けたことで
頭が少しすっきりした。

先日参加したエコハウスプロジェクトで、主催者が
「森林伐採の現場に行って、植林をする援助を行おうとしたが、
まずは安い外材ばかりを輸入している日本の現状を変えてくれ」と言われたそうだ。

まずは、足下から。
自分の国から。

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2008年3月15日 (土)

『医者が病院から逃げ出すとき』

渋谷の本屋で『医者が病院から逃げ出すとき』
という本が、目に飛び込んできた。
手に取るとつい数日前に発行されたばかりなので、
購入することにした。
内容としては、あまり新しい感じはしなかったが、
考えるきっかけをもらった。

キューバツアーの参加者である友人が立ち上げた
「日本の医療を守る市民の会」の初勉強会が先日開催された。
私は行けなかったのだけど、最近の医療制度が崩壊していることを伝え、
情報を共有する場としてとても興味があるので、今後の勉強会にはぜひ参加してみたいと思う。

個人としては、今の医療の現状の問題点をしっかりとふまえた上で、
きちんと今の段階で頑張っている良い医師の評価をしていく必要があると思った。

ハーブやアロマやフラワーエッセンスのおかげなのか、
私は滅多に病院に行かないが、歯が弱く(虫歯になりやすい)、
一昨年くらいからどうにも無視できない状態になって、
渋々という感じで歯医者さんにかかることにした。

友人のご両親が歯医者、ということでそこに決めて、
私の歯医者さんに対する見方が大きく変わった。

歯科医院の詳細はこちら。

このあいだ、久しぶりに診察を受けに行ったところ、
ある言葉にとても感動してしまった!
雨のため、私が到着するのが遅れたので、
「遅くてすみません」と謝ったのだが、
「いいですよ〜うちは余裕を持って診察していますから。
余裕がないと、良い診察はできないですからね。」

パチパチパチ!
医師として、なんて素晴らしい言葉。
ここは、音楽や陶芸や絵画や水草やらのたくさんの「余裕」に
囲まれながら診察を受けられる。
私のおすすめした、香り(オレンジ)のスプレーも
あるのでなおさら落ち着く。

そういえば、今日はバッチフラワーエッセンスのセミナーの日だった。
バッチ博士が思い描いていた「未来の医療」が
早く実現するといいなあ。

80年前のイギリスも、今の日本とおんなじだったみたい。

「医師を批判するのも無価値です。悪いのは、主として体制であり、
人ではありません。この体制のもとでは、医師はもっぱら経済的な理由から、
病人の世話に生涯をささげる者の遺産たるべき、静かで平和な治療をする時間も、
必要な瞑想と思索の機会ももてません。
『賢明な医師は、一日十五人ではなく、五人しか診ない』と、
かつてパラケルススはいいました。
これは今の一般的な医師には不可能な理想です。」
『フラワーレメディーズ ウィズダム』
(エドワード・バッチ著 中央アート出版社)

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